従業員が過労で病気になったり、自殺した場合の社長の個人責任

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2017年3月29日

従業員が過労で病気になったり、自殺した場合の社長の個人責任

karou

 

いわゆる「働き方改革」の目玉政策として、政府は長時間労働の是正を掲げ、残業時間に上限を設ける方向で制度化が進んでいます。

 

稲盛経営哲学には「誰にも負けない努力」という項目もありますが、長時間労働は過去の話、ないしは経営者の話。
※経営者(使用者)は労働者ではないのでには労働基準法の適用がありません。

 

万が一、過重労働で従業員がうつ病など罹患した場合や、自殺をしてしまったような最悪のケースでは、会社だけでなく、社長や上司など監督者も個人責任を問われることがあります。

 

従業員や部下の健康状態を把握して、適切な労働環境を提供する「安全配慮義務」があるからです。社長の個人責任は、従業員が少ない会社の方が認められる可能性が高まります。それだけ一人一人の従業員に目を配ることができたはずだと言われるからです。

 

我が国の労働生産性は低迷しています。
定時で帰る社員を「あいつは頑張りが足りない」と評価するのではなく、それぞれの社員が時間あたりでどれくらいの付加価値を生み出しているかを客観的に把握してみましょう。

 

長時間労働は、社員の健康を損なうリスクがあるだけでなく、賃金は割増になるのに仕事の効率は落ちるという矛盾を抱えています。ですから、人を増やし、1人あたりの労働時間を短縮することも一考の価値があります。大手企業でも、味の素のように、1日の労働時間を7時間まで短縮する企業が出てきています。

 

このように、経営者は従業員の働く環境を考える義務がありますが、それでも100%事故を防ぐことはできません。そこで、「使用者賠償責任保険」という保険でリスクをヘッジする方法もあります。この保険は労災事故の保険の特約に組み込まれていることが多い商品です。従業員数にかかわらず売上高に連動して保険料が決まるので、安心して加入することができます。

 

一度、従業員の労働時間についてじっくり考えてみませんか。