三：城間さんとのお付き合いはかれこれ10年以上になりますね。

城：そうですね。私が前職のゴールドマン・サックス証券を退職して起業するときにはじめてお会いしました。

三：私のことをよく知る知人がゴールドマンの受付をしていて、その方がこのふたりは気が合いそうだと思い、紹介してくれました。

城：たしか三谷さんも事務所を構えたばかりの頃だったと記憶しています。

三：そうでしたね。そう言えば、会ったその日に意気投合してそのままビリヤードに行きましたよね。

城：お互い当時はビリヤードにはまっていましたものね（笑）。そのときの良い意味での遊びがある人柄に好感を持って、すぐに当社の顧問弁護士になっていただきました。

三：起業してすぐに顧問弁護士が必要だと感じていたのですか？

城：私は長く金融の世界にいたため、リスクに関してとても敏感な部分があります。会社を経営して行くうえでもトラブルを未然に防ぐ重要性を強く感じていたので、法務リスクに関して気軽に相談できる同世代の弁護士さんを探していました。

三：投資の世界ではリスクマネジメントがとても重要ですものね。

城：はい。経営上のリスクをしっかり把握し、トラブルが起こらないようにすることが経営者の仕事だと今でも思っています。

三：リスクを知ることで事業を計画的に、かつ着実に遂行して行くことができる、ということですよね。

城： そうです。だから顧問をお願いしてから10年以上経つ今でも、私が感じたちょっとした不安や心配事をいろいろご相談させていただき、三谷さんの「問題ないから、気にしなくていいよ」という言葉を聞いて毎日安心して眠りにつくような感じです。決して私が心配性なわけではないのですが・・・（苦笑）。

三：それは誰よりも私がわかっていますよ。

城： 私にとっては顧問弁護士に支払う顧問料は、トラブルを未然に防ぐための保険料のような感じです。

三：実際に売掛債権の回収に関してご相談いただいたりしたこともありましたよね。

城：はい。当社は歯科医院向けにWEBサイトの制作やマーケティングサービスを提供しているのですが、創業当初は本来お支払いいただける料金をお客様からお振込みいただけないことなどがあり、裁判寸前までいったケースもありました。

三：問題が発生した際に、お互いが感情的になって裁判を起こそうとすることは多々あります。しかし、金額が大きくない場合は裁判などしても双方無駄な時間とお金を使うだけで良いことはほとんどないのが実情です。

城：おっしゃるとおりですね。そこで以前、当社の債権回収担当者向けに勉強会を開いていただきました。

三：当事務所へ担当の方にお越しいただき、少額訴訟請求に関していろいろレクチャーさせていただいた件ですね。少額訴訟とは、債権が６０万円までの事案にしか適用できませんが、弁護士を使わずに基本1回の裁判で審理を終えるため、早期にトラブルを解決できることが特徴です。

城：最初このお話を聞いたときはびっくりしました。弁護士さん自らが、弁護士をつかわずに訴訟を起こせといっているのですから。ただ、よくよく考える顧問をお願いしているとはいえ具体的な裁判になれば別途費用が発生するわけですから、小額案件で弁護士さんに依頼したがゆえの費用倒れになる心配もありませんので、これは当社の法務スキルとしてしっかり学んでおくべきだと思いました。